「熊野海道エクスペディション2012」国崎~御座

o-papa

2012年12月10日 22:15

二日目の朝。

「熊野海道エクスペディション」の朝は、シバタさんが焚き火でいれてくれるコーヒーで始まります。
快晴です。


起床は6時。
昨夜の鍋の残りで作った雑炊で朝食を済ませ、撤収&パッキング。
手際が悪くてモタモタしてるうちに共同装備は皆の艇の中へ。
この後、ずっとこの状況が続きます。
申し訳ないっす・・・(汗)。

この日は御座にあるalgaforestのクラブハウスを目指します。

大王崎まではほぼ南へ向かって漕いで行きます。
快晴なので照り返しがとても眩しいです。
事前に購入したAXEのオーバーグラスが活躍!サングラスは必須です。

安乗崎の灯台が見えてきました。


的矢湾の湾口を渡ります。


岬から岬へと湾口を渡っていく時は、「何か(≒沈)あっても岸には戻れない」という、なんだかへその辺りがむずむずするような不安感がありますが、さしあたっての目標(=あそこに見えてる岬)が明確なだけに、「行くぞー!」と気合(心の中でね)も入ります。

波・風とも結構ありましたが、無事に安乗岬を通過。

四角い形が特徴的な灯台です。

サーフィンで有名な国府の白浜を通り越し、一つ隣の浜に上陸。


この日のランチは焚き火で炊いたご飯の特大おにぎり!


暖かい日差しの下で休憩していると、突然ウチの両親が登場!
昨夜、「実家のすぐ近くに来てるのに何も言わずに通過するのもなんだかなぁ・・・」と思って、「今国崎にいます。明日は御座まで漕ぎます。」とメールしてあったのでした。
安乗岬辺りからずっと、海沿いを追っかけてたとか。意外と陸上からは解りづらいものらしいです。
5mの艇も、広い海上では塵のような存在ですからね。
応援ありがとうございます。
やっぱりアリガタイものですね。

昼食後、本日のハイライトの「大王岬」を目指します。

「ダイオウザキ」という言葉のヒビキにちょっと身構えますが、この日の海は比較的穏やかでした。
3年前に長男と自転車で来たときに見た、要塞のような家も見えてちょっと懐かしい気分。

大王崎を越え、次なるポイントは「深谷水道」です。

ひっきりなしに漁船が出入りしています。
タイミングを見計らい、右端を一列に並んで通ります。
対向船が来ないことを祈りつつ、素早く通り抜けようとしますが、
潮流に逆らうので力強く漕がないと進みません。。。

 <深谷水道>
 ひらがなの「つ」の形をした奥志摩半島は深谷水道で分断されており、東側は島になっています。
 英虞湾は元々冷水が留まりやすく、真珠養殖の過密による水質悪化で赤潮が頻発していました。
 そこで、半島のもっとも狭い部分を掘削することで昭和7年に難工事の末完成したのが深谷水道。
 これにより、熊野灘の清浄で暖かい水が英虞湾に流入し、水質改善に一役買っています。
 また、船舶の通航も可能となり、荒天時に速やかに英虞湾に避難することが出来るほか、
 御座岬を周らなくても湾内に入れるというメリットもあります。水産庁が発表した「未来に残したい
 漁業・漁村の歴史文化財産百選
」にも選ばれています。しかし、先の3.11大震災発生時は
 深谷水道から津波が入り、養殖施設に被害が出てしまいました。

対向船とすれ違うことなく、無事に通過してホット一息。
静かな英虞湾に入り、のんびり漕いで行ける、と思っていたのですが・・・

静かだったのは最初のうちだけ。
湾が西向きに開けた和具辺りまでくると、強い向かい風が吹き始めました。
風によって波が生じ、波頭が崩れてしぶきが舞います。
バウデッキを波が洗い、漕ぐ手を休めれば押し戻される状態。。。
フットブレイスをずっと踏ん張り続けていないといけないので、太もも、尻は既にしびれています。
でも休憩できません。
御座はあの岬を越えて左へ周り込んだところにあるはずなのですが、まもなく日が暮れようとしています。


遅れないように必死で漕ぎました。
クラブハウス下の浜に到着した時には、既に日は沈み切っていました。
着岸しても足腰がガクガクですぐには立てない状態。体はかなり冷えてました。
これでこのままキャンプだったら・・・多分ムリ。

今晩はクラブハウス泊。
暖かいシャワーとIさんリクエストのレゲエをポクポク聞きながら、山盛りパスタで活き返りました。

でも体中がギシギシ軋んでいます。
こんな体たらくで、明日からこの先、ちゃんと漕いでいけるんだろうか・・・?
みんなの足を引っ張ってるんじゃないだろうか・・・?

両親は御座白浜海水浴場で差し入れを持ってずっと待っててくれました。
携帯で「あと一時間くらいで着くかな。」と伝えてから2時間以上かかってしまいました。

申し訳ないことしました。

ありがとう。
いつかきっと恩返ししますからね。

(続く)
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